お薬による治療を前向きに続けるために

治療を継続するために

Q3.
決められたスケジュールでお薬をきちんと服用することが大切と聞きますが、そのために必要なことを教えてください。
A3.
治療スケジュールは『臨床試験』で効果が検証された方法に基づいて治療薬ごとに細かく決められています。決められたとおりに治療を受けることで期待する効果が得られると考えられます。時に治療スケジュールは複雑になることもあります。ご自身でもスケジュールが十分に理解できるよう、医師や薬剤師から十分に説明を受けましょう。

治療効果を得るには、患者さんに、処方されたお薬を決められたスケジュールできちんと服用していただくことが不可欠です。したがって、患者さんがお薬を間違いなく服用できる状態や環境にあるのかどうかの判断がとても重要です。家族や介護支援者の有無、治療の理解度に配慮して、飲み薬の治療がよいか、点滴治療がよいか等の判断の後に治療が決定しています。

当院ではA4サイズの紙に、お薬を服用する日、お薬の量、服用時の注意事項のほか、どのような副作用に注意すべきか、あるいは目安としてそれがどのくらいの頻度(何人中何人くらい)で生じる可能性があるのかなどを記載するようにしています。患者さんごとにお薬の量や服用する曜日などが異なりますし、またそのときどきで量や曜日も変わってきますので、個々の患者さんごとに、その都度スケジュールを作成し、患者さんに理解していただくようにしています。そうすると、逆に患者さんの方から、「この日はこの薬を飲むはずなのに処方されていないよ」と気づかせてくれることもあります。このように、治療の継続には、患者さんにも主体的に治療に参加していただくことが大切だと考えています。

高齢の患者さんが薬剤師から服薬指導を受けるときは、決められたスケジュールでお薬を継続して服用できるよう、ご家族や同居されている方、あるいはケアマネジャーさんやヘルパーさんなどにも同席していただき、情報を共有しておくとよいでしょう。また、ちょっと症状が出たときに、「副作用かもしれないから薬を止めよう」と勝手に治療を止めてしまわずに、まずいったん飲むのを止めて必ず病院に連絡するようにしてください。あらかじめ、困ったときにはどこに連絡をすればよいのかを確認しておくとよいと思います。

また、長い闘病生活の間には治療意欲が落ちることもあると思いますが、そのようなときにはちょっとした体調の改善や検査値の改善を励みにするとよいでしょう。私自身、検査値のわずかな改善であっても患者さんにきちんと伝えるように心がけています。例えば「腎機能がちょっとよくなったね」とか「前回の血液検査では脱水ぎみで、ちょっと体が乾いている感じだったけれど、水分補給を実践してくださったので、脱水ぎみがちょっと治っていましたよ」など。わずかな改善であっても、治療を続ける励みにしていただきたいと思います。また、それでも治療意欲がわかないときは、薬剤師に相談してください。いっしょにその原因を考えるなど、患者さんが意欲をもって治療に臨めるよう、サポートしたいと思っています。